天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

「そりゃまぁ、そうなんだけどな」



ウチューは困ったようにぶつぶつと言葉を濁す。



「どーゆーことなんだよっ!?

なんで爺さんに嘘の名前なんか教えたんだよ!!

どー考えてもおかしいじゃねぇか!」



チキュはなかなか引き下がらない。



そこで、セカイが口を挟んだ。



「………ねぇ、チキュ。

どうして、トーキ爺に教えたのが嘘の名前だと思うの?」



「………は?」




チキュは全く訳が分からないといった表情だ。




「もしかしたら。

ギンガ、っていうのが本当の名前で、僕らが知ってる名前が嘘なのかもしれないじゃない」




チキュはぽかんと口を開ける。




「………え、え、え? どゆこと?

じゃ、ウチューはウチューじゃないってことか?


ウチューはほんとはギンガって名前で、オレたちはギンガさんをウチューって呼んでたのか?

じゃ、オレらの知ってるウチューってのは一体なんなんだ??」




言いながら混乱に陥ったらしく、頭を掻き毟り始めたチキュに、セカイがやんわりと微笑みかける。




「分からないよ。

ギンガっていうのが嘘かもしれないし。


………つまり僕が言いたいのは。

本当の名前なんて誰にも分からないし、大した意味もないってことだよ」



「えぇっ!?

名前は大事なもんじゃねぇか!」




セカイの言葉にチキュは納得できないと反論する。