天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

「おい、ちびっこっ!


オレの髪なんかより、セカイの髪のほうがずうっと触り心地いいぞ!」




解放されてほっと一息お茶を飲んでいたセカイは、「え」と驚く。




「セカイの髪はなぁ。

ほんとーに細くて柔らかくて、いじり甲斐があるんだぞぉ。


あ、久々に三つ編みにでもしちゃおっかな!」




チキュはわくわくとした様子でセカイの髪を掴んだ。



邪魔にならないよう首の後ろで簡単に纏めていた長い髪を解く。



窓から入る風に、細い髪がふわりと揺れた。




好き放題にセカイの髪の毛をいじって遊ぶチキュとニコ、そして黙ってお茶を飲んでいるセカイを、大人三人が見つめていた。




「なんだか随分さわがしいなぁ、おい。


うちはこんな家だったか?」




トーキ爺がしみじみと呟く。




「ニコがあんなによく喋る子だったなんて、知らなかったわ」




完成した夕食を並べながら、タキも首を傾げた。




「ーーーなんかすみません………。


チキュのやつほんとうるさくて………。

どこに行ってもあんな感じで、周りまで毒されて落ち着かなくなっちゃうんですよねぇ」




ウチューが情けない顔をする。