天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

セカイが珍しく対応に困っているようなので、オレの出番だとばかりにチキュは身を乗り出した。




「おい、このちびっこ!!」



そう大声で言い、走り回るニコの首根っこを掴まえた。



「きゃっ、何よ〜!!」



ニコが驚いて叫び声を上げる。




「うるさいちびっこさんよ。


うちのセカイはな、コミュニケーション能力が皆無に等しいんだよ。

お前みたいに知らない子どもからぐいぐい来られたら、フリーズしちゃうんだよ!


お前、初対面だってのに、あまりにも遠慮がなさすぎるぞ!

ちょっとは礼儀ってものを知れ!!」




俄かには信じられないほどの、自分を棚に上げ具合だ。



しかし本人は至って真面目で本気なので、「お前が言うか」という顔で呆れているウチューとセカイには気づかない。




突然に乱暴な扱いを受けたニコは、背後のチキュを睨みつけた。



「何よぅ、ちびっこちびっこって!

あたしもう10歳よ。

あなたと変わらないでしょ?」



そう言われてチキュが目を剥く。



「はぁ!? オレは今年で16だぞ!

年長者の言うことに従え!!」



「えっ。全然見えない! 童顔ねぇ」



「うるせぇな! 成長期なんだよ!

とにかくセカイにあんまり構うな」



ニコが唇を尖らせる。



「あたしはただ綺麗なモノが好きなのよ。

セカイさんがあんまり綺麗だから、テンションがあがっちゃったのよ。

綺麗って褒めて何が悪いの?」



そう言って、チキュの顔を見上げた。