セカイはやはりチキュを見つめたまま、さらに続ける。



「でも、チキュを心配させたくない。

不安にさせたくない」



その言葉を聞き、ウチューは力強く首を縦に振った。



「うん。それは、俺も一緒だよ」




二人は、共犯者の笑みで視線を絡めた。




「まだ、早いんだ。

時期は来ていない。


そうだと、俺は信じたい……」



「……わかったよ、ウチュー。


僕も、永遠にそれを知る日が来ないように、祈ってる」





感慨深げな声でしんみりと語り合う二人の隣で、チキュが「んー………もうむりっ」と寝言を叫ぶ。



満腹になった夢でも見ているのだろう。




緊張感のない声に、二人はやっと心からの笑顔を浮かべた。