天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

目指すアイラルの地までは、ルルティアの人々と河の民との交易路があるため、道はよく整備されている。



リューロウと呼ばれるその交易路は、ルルティアを出発点として、アイラル河と交差して南のエレメデ海まで続く、長大なものである。




しかし、アイラルまでの往路について、ウチューは少し思い悩んだ。



(人目の多い道はなるべく避けたい…)



しかし、道ならぬ道を行くのでは、チキュとセカイに負担がかかってしまう、と考えて、やはりリューロウを行くことを選んだ。


それでも、どんなに旅慣れた者であっても、アイラルまでは徒歩で一週間はかかる。


あまり急ぎすぎても、どこかで体調を崩す心配がある。




ウチューは、逸る気を抑えながら、夜明け前には足を止め、最寄りの宿駅に宿をとることにした。



夜も深い時間である、周りにはほとんど旅人はいない。


東の空は薄い青紫に染まり、もう白々と夜は明け始めていた。



「セカイ、チキュ。

ここら辺りで休もうか」



ウチューがそう声をかけた。



「えぇっ? オレ、まだまだ歩けるよ!

どうせならもっと進もうよ」



チキュが早速口ごたえをする。



「あのなぁ、初日から無理したら、そのうちツケがくるぞ。

少し寝て、昼には宿を出ればいい」


「………へーい」