(確かに、知る必要がないことなのかもしれない。でも……)


もしかしたら、とも思う。


(僕たちが、知ったらいけないことなのかもしれない)


知ってしまったら、このままではいられなくなるのかもしれない。




いやだ、とセカイは思った。



今の日々を、失いたくない。



チキュと、ウチューと、離れたくない。



そんな生活は、想像もできない。





“今”を守るためならーーー




(ーーーそのためなら、何でもする)



窓の外、陽光に白く輝く世界を見つめながら、セカイは強く心に思った。





(僕は、二人のためなら、何だって、できるーーー)