天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

セカイは頬に優しい風を感じながら、ウチューのことを思う。




今ごろ、咥え煙草で色々な露店を廻って、チキュとセカイが移動の道中で不自由な思いをしないように、様々なものを買い揃えていることだろう。




その姿を想像しながら、ゆっくりと口を開いた。



「………でもね、チキュ。


確かに、何だか変な感じはするけど……でも、ウチューがすることだよ。

きっと、僕たちのことを考えて決めたことだと思う」



セカイが微笑みかけると、チキュもにこっと笑った。



「………そうだな!

だって、オレたちのウチューだもんな!!」



「うん。そうだよ。


……そして、出発の理由を僕たちに言わないってことは……。

僕たちが知らなくてもいいこと……、知る必要がないことなんだよ。


……きっとね」


「そっか、そうだな……」



チキュはすっきりしたような顔で頷く。




「あー、なんか安心したら腹減ったぞ。

オレ、残りもんで何か作ってくる!」



そう言って厨房に入ったチキュの後姿を見つめながら、セカイは一人、まだ考えを巡らせていた。