天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

「ごちゃごちゃと言い訳をするな」




険を多分に含んだ声に、部下は縮み上がって答える。




「はは、申し訳もございません」




「お前は結論だけを言えばよいのだ。


………『エーテル』は見つかったのか、まだ見つからないのか、はっきり言え」




「………は。

全力を尽くしておりますが、まだ………」





髭の男はさらに眉間の皺を深くする。





「………お前達、いつになったら『エーテル』を見つけて来るのだ。


一体何年間、探し続けていると思っている?」




「申し訳ございません………」




苛立ちを抑え込んだような男の声に、部下は頭を垂れ謝罪の言葉を繰り返すばかりだ。




「いくら広いとはいえ、隠れ潜める所など限られておろう。


………地国中這いつくばってでも、一刻も早く捜し出すのだ」




「ははあ!」




部下は深々と一礼して、逃げるように部屋を出た。