「わざわざ教えて頂かなくとも、そんなことは承知しています」
クオンは不機嫌さを堪えきれず、口を出した。
するとムラノは、口角を上げてにやりと笑みを浮かべた。
「それでは、前置きはもうこれ以上、必要ございませんね」
「………いったい、何の前置きだったのですか」
低い声で訊ねるクオンに、ムラノはじりじりと近寄った。
「ーーー殿下。
失礼を承知で、申し上げます」
「……なんですか」
クオンは微かに唾を呑み込み、背筋を伸ばした。
威圧するようにムラノを見下ろす。
「殿下がこの度正室としてお迎えする光宮さまは……」
卑俗な男の口からミカゲの名が出たことに、クオンは苛立ちを抑えられない。
しかし、不満を堪えて、黙って続きを待った。
「光宮さまは、皇太子の妃としての使命は果たせないものと存じます」
クオンは不機嫌さを堪えきれず、口を出した。
するとムラノは、口角を上げてにやりと笑みを浮かべた。
「それでは、前置きはもうこれ以上、必要ございませんね」
「………いったい、何の前置きだったのですか」
低い声で訊ねるクオンに、ムラノはじりじりと近寄った。
「ーーー殿下。
失礼を承知で、申し上げます」
「……なんですか」
クオンは微かに唾を呑み込み、背筋を伸ばした。
威圧するようにムラノを見下ろす。
「殿下がこの度正室としてお迎えする光宮さまは……」
卑俗な男の口からミカゲの名が出たことに、クオンは苛立ちを抑えられない。
しかし、不満を堪えて、黙って続きを待った。
「光宮さまは、皇太子の妃としての使命は果たせないものと存じます」



