天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether








霞を食べ終わった後、三人はのんびりとした時間を過ごした。




公務で疲れがたまっていたのか、ミカゲとアスカが走り回って遊んでいるのを尻目に、クオンは転寝をしてしまった。




しばらく経って、瞼を通り越しての陽光の眩しさに目を覚ますと、二人の姿が見えない。





「ーーーミカゲ、アスカ?」




それほど大きな島ではない。


長身のクオンが立ち上がれば、全体を見渡すことができる。


しかし、どこにもいない。



「………?」




(まさか、ーーー落ちた?)



ありえないことではない。





あの二人のことだ、疲れも知らず馬鹿みたいに走り回っていたし、足下を見ずに踏み外して空島から落ちることは、十分にありうる。



今までの数々の苦い経験が頭の中を駆け巡る。


危機予測もできずに滑ったり転んだり翔んだり怪我をしたり、あらゆる迷惑をかけられてきたのだが。



クオンは島の端まで行き、下を見下ろしてみることにした。



転寝していた場所を離れて歩き出す。





そこに、太陽を遮って濃い陰が落ちるのを感じた。


ぱっと顔を上げる。


逆光で顔は見えないが、衣装を見て、宙を舞う一人の天貴人が羽衣を靡かせながらこちらに降りてくるのが分かった。




「………だれだ?」