天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

「ねっ、アスカ!

アスカもそう思わない?


あの雲クオンに似てるわよね?」



「………あ、うん。そうだね」



ミカゲが急に振り返ったので、ぼうっと腑抜けた顔で二人を眺めていたアスカは、少し動揺する。




ミカゲの手がクオンの腕に置かれているのが目に入り、アスカは胸の真ん中あたりが締めつけられたように感じた。



「あっ、そっちの雲! 見て見て!

あのふわふわした感じはアスカね」



ミカゲはにこにこしながら、今度はアスカの雲を見つけたようだ。



アスカは「えっ?」と言って機敏に振り仰いだ。



「えぇ〜〜?

俺、あんなにくりくりじゃないよ〜〜」



アスカは嬉しさを隠すように、わざと不満気な声を出した。




クオンはその様子を、何か考え込むように眉を顰めて見つめていた。






天宮の中ではあまり感じられない風が、ここにいると間断なく吹いてくる。



今もまた、風向きの安定しない細かい風が吹きすさび、ミカゲの緩く纏めた白銀の髪を好き勝手に巻き上げている。




クオンは何を思うともなくぼんやりと、自分と共に育った愛する二人の姿を眺めていた。