天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether








天島の端近くに、並んで立つ。


眩しい陽光を受け、明るさが苦手なミカゲは目を細めている。



三人は羽衣を取り出し、肩に羽織った。


風を孕んだ羽衣が宙空に舞い上がろうとする。


それに逆らわずに身を委ねていると、一際強い風が吹き抜けると同時に、身体がふわりと空に舞った。




「………久しぶりだわ、翔ぶの」



ミカゲが髪を靡かせながら少し微笑んで言うと、クオンとアスカがそれに応じる。



「私も随分翔んでいなかったな」


「俺は一週間ぶりくらいかな?」


「アスカは遊び回ってるものね」


「私たちに面倒事を押し付けて、な」


「そうそう」


「はは、末っ子の特権さ!」



三人は器用に身体の姿勢を変えつつ、目的としている空島に近づいていく。



その島は、面積が小さいため天の民は住んでいない。


もっぱら、皇族や天貴人の一部が気分転換に訪れる島となっている。



「さあ、着いたわね」


風を含んで大きく膨らんだ羽衣の端を手で繰り、容積を小さくしていくと、徐々に高度が落ちる。



三人は、無事に目的地に着地した。