教室の扉の前に着くと、中からガヤガヤとうるさいしゃべり声が廊下まで聞こえてきた。 教室に入る瞬間、いつも緊張する。 一度深く深呼吸して覚悟を決め教室に入ろうとすると、ポンッと肩を叩かれた。 「……樹里……」 振り返ると、そこには無表情の樹里が立っていた。 「ちょっと付き合ってくれない?話があるんだけど」 「……うん」 何を言われるのかは大体想像がついた。 あたしはコクっと頷くと、先に歩き出した樹里の背中を追いかけた。