「アンタ見てるとイライラするんだよねー。かわい子ぶってすぐに男に色目つかうし」


美奈子は苛立った口調で言うと、あたしにお弁当のふたを投げつけた。


そのふたはあたしの膝の上にあったお弁当にぶつかり、その勢いでお弁当がさかさまにアスファルトの上に落ちた。


散らばるご飯やおかず。


「うわぁ、悲惨」


取り巻きの一人が声を漏らす。


「っ……――」


あたしは震える指先で零れ落ちたご飯やおかずを拾い集めた。