誰かと一緒に屋上にやってきてこうやっておしゃべりしたのは、美奈子以外では初めてだった。


誰かが隣にいることが胸が震えるぐらい嬉くて。


目を見合わせて笑い合えることがこれ以上ないほど幸せで。


あたしは、この時、本当の友達ができた幸せでいっぱいだった。


お弁当のふたをそっと開けてお箸を掴んだ時、



「……――ん?」


屋上の扉が開いたのに気が付いた。


樹里が戻ってきたのかもしれない。



「樹里、どうした……――の?」


振り返って目を見開く。



「ごめんね、荒木じゃなくて」


そこに立っていたのは、美奈子とその取り巻き達だった。