「……――助けて!!」 自分の叫び声でハッと目を覚ます。 背中にはびっしりと嫌な汗をかいていた。 いじめられるようになってから、よく夢を見るようになった。 その中でも鉄の輪をくぐる夢を見ることが多い。 お父さんとお母さんの手に掴まることもできず、涙を流し続けていると、目の前が真っ黒になり、しまいには足元から穴の中へ落ちてしまう。 目を覚ますと、たいてい体中に汗をかきひどく疲れていた。