「きさまぁ~」 おれは執行官の胸倉を掴む。 「こんなところで油を売ってていいのかな」 執行官は怯むどころか歯茎をむき出して笑う。 「どこだ!翔也はどこにいるんだ!」 「さぁね」 執行官は両手を広げるオーバーアクションでとぼけた。 「教えろ!」 「条件によっては教えてやってもいい」 「いいだろ。その条件を言ってみろ」 執行官はその言葉を待っていた、というような顔をして微笑む。