「まだ小学生だぞ」 「知ったことか」 執行官は振り向き、おれを蔑んだ目で見た。 なにか反論しなければと思ったが、言葉が出てこない。 おれと執行官の体を女の看護師が切羽詰った表情で通り抜けていく。 「清水さん!」 642号室から響く声は、尋常じゃないことが起きたことを予感させるには十分だった。 「脳死状態になって回復の可能性はゼロだ」 執行官が抑揚のない口調で清水さんの状態を説明したあと、会話が切れたままエレベーターへ。