「あ……っ」
学校の正門に着くと、裕貴先輩が先に来ていた。
……1人?
加古川先輩、まだ来てないのかな。
「……すみません、遅くなりました」
約束の時間には余裕で着く計算で家を出たはずなのに。
あたしよりも先に裕貴先輩の方が着いているなんて。
「あぁ、俺の方が早すぎただけだから」
苦笑しながら裕貴先輩は、暇つぶしに操作していたスマホをジーンズのお尻のポケットに仕舞い込む。
「加古川先輩は?」
「もうそろそろ来ると思うけど……」
言って、裕貴先輩は加古川先輩がやって来る方向を遠目に見る。
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