Ending Note



「俺、いっつも裕貴と一緒にいるだろ? だから、裕貴を見る女子の視線ぐらい分かってんだよ」


「……あたし、そんなにガン見してました?」


「おまえの場合は……」



裕貴先輩を見続けてきたあたしのことを思い出したのか、加古川先輩はプッと吹き出した後に言う。



「遠くから見るときはガン見のくせに、距離が近づくと“興味アリマセン”って顔するんだよ。で、離れると、またガン見。そのギャップが面白くてさ、おまえを見かけるたびに、“あぁ、ツンデレきたよ”って思ってたわけ」



“ツンデレの子”


加古川先輩はそうやってあたしのことを覚えていたわけね。



「なんか、お母さんまで巻き込んでて、“こいつらマジでおもしれー”って思ってね」



クククッと笑う加古川先輩は本気で楽しそうだ。

あたしは穴があったら入りたい気分だけど。



「あ、でも。俺は裕貴の親友ってこと忘れるなよ? 裕貴に好きな人ができたら、おまえよりも裕貴の方を応援するから」


「……それは当然ですよ」