「それじゃあ、1人でスイカ3個持つのは大変ですね。俺、手伝います」 「本当に? 助かるわー。今度、お礼させて? えぇと……お名前は……」 「桜井です。あ、お礼はいいです」 だから、だからね、ママ。 なんだって裕貴先輩にだけなのよ。もう1人いるでしょうが。 裕貴先輩の隣で、1人、疎外感丸出しの加古川……… 「………?」 なに今の。 あたしの見間違い? 「じゃ、俺は自主練行くから」 そんな薄情なことをさらりと言ってのけたのは、加古川先輩。