Ending Note



“1年C組の栗沢千春は帰りましたでしょうか?”



ママがそう尋ねたのが、サッカー部の部室に向かおうとしていた裕貴先輩だったようで。



“いや、俺2年なんでちょっと分からないです”

“あぁ、そうですか。……あっ……”



直後、ママは眩暈を起こして倒れ、保健室に連れて来られ。



“すみませんが、1年C組の栗沢千春を呼んでいただけないでしょうか? もしかしたらまだ教室に……”



練習に行こうとしている裕貴先輩に厚かましい頼み事をしたおかげで、あたしが今ここにいるってわけだ。



「……あの、いろいろとありがとうございました」


「いや、お礼なんて」



……母よ。

これは本当に“偶然”なのですかね?