いつもあたしに、熱中症には気をつけなさいって言ってるくせに。
自分が倒れてどうすんのよ。
「でもなんで学校に? 呼び出されたの?」
「ううん。たまたま近くを通りかかって……。帰り道に、千春と一緒に何か冷たい物でも食べようかと思って」
「もう……。あたしがいつ学校から出てくるか分かんないのに」
「あぁ、そうだ千春。こちらの生徒さんにお礼を言って」
「へっ?」
ママが視線を送った先にいたのは裕貴先輩だった。
裕貴先輩はちらりとあたしを見る。
「この方に千春のことを聞いたあとに、お母さん倒れてしまって……。保健室まで運んでいただいたのよ」
「…………」
――どうやら、コトの流れはこうらしい。


