「それでは、ご出棺です――」 仕切りなおされた出棺のあと、あたしたちはこれから最後の見送りに出る。 ――ママ。 あたしたちはママの最期の声を聞いたよ。 ママが選んだ道を、あたしたちは怒ってなんかいない。 少し寂しいけれど、ママが覚悟をもって選んだ道なのだから。 ねぇ、ママ。 悔いはない? 納得のいく“終わり方”だった? 去りゆくママの棺に問いかけると、 “……娘。母は幸せな一生であったぞ” そんなママの言葉が聞こえたような気がした。 【END】