パラパラと捲ってみると、最初に見つけたノートとは違って、そこにはぎっしりといろんなことが書かれている。
【見つけましたか? まだ塵となっていなければ、この箱の物をすべて棺に入れてください。②以降の箱は、急いで確認する必要なし】
「“塵”って……、火葬のことだったんだ」
「……ったく。ママってば、“塵”って表現はあんまりでしょ」
ブツブツ文句を言いながら、棺に入れてほしいという箱の中身を確認する。
中に入っていたのは……
あたしと虎太郎のへその緒。
そして、あたしたちが着ていたと思われるベビー服。
毎年、誕生日に撮っていた写真。
……それから、厚みのあるA4サイズの封筒。
封筒には、【パパとの思い出。絶対に開けるな】と書いている。
「何が入っているのかな」
気になってこっそり開けようとするあたしを、虎太郎が「約束は守れ」と制止し、封筒を取り上げた。


