「……姉ちゃん、鍵を見つけに行こう」 「…………」 あたしより年下のくせに。 なんでこうも、我が弟はしっかりしているのだろう。 この場合、叱咤するのは姉であるあたしのはずなのに。 ほんとうに、情けない――…… 「分かった。行こう」 決心したように言うと、虎太郎は笑みを浮かべた。 それから病院に向かって、あたしたちは再びママのいる病室へと足を踏み入れる。 「どうしたんだ、おまえたち」 ビックリした顔で迎えたのはパパだった。 静子おばさんや、他の親戚の人たちは帰ったようだ。