静子おばさんから買い出しのお金を受け取って、あたしと虎太郎はママ行きつけのスーパーに向かう。
「何がいいかな……」
迷いつつも、とりあえずは野菜だろう、と、ママ御用達の有機野菜を手当たり次第カゴに詰め込む。
「肉はパスだよな。やっぱ麺類じゃね? うどんとか素麺とか」
「うーん……。いかにも病人!って感じでママがかわいそうじゃない?」
「じゃあ、魚?」
「そうだね。魚と……麺類も一応買っておこうか」
虎太郎とあれこれ意見を出し合って、あたしたちは買い出しを終えた。
家に帰り着くと、1階の客間に見たことのないシングルベッドが置かれていた。
「これ、どうしたの!?」
リクライニング式の高そうなベッドに、あたしも虎太郎も目を丸くする。


