「パパも虎太郎も、なに諦めモードに入ってんの!? 末期ガンだった人が克服したって話、たまに聞くじゃない。余命3週間って、ただ計算した結果ってだけでしょ?」
ママが諦めずに頑張っているのに。
家族のあたしたちが諦めてどうするの?
「3週間が1ヶ月に、1ヶ月が3ヶ月に延びることだってあるんだから。あたしだって、ママと同じように絶対に諦めない。……あたし、忙しいから部屋に行くね?」
悔しい――……
こんなにもあっけなく、ママの人生が終わろうとしていることが。
ねぇ、ママ。
ママの人生計画、こんなもんじゃないでしょ?
あたしと虎太郎が社会人になって、結婚して、家庭を持って、孫の顔を見て。
パパと2人きりの生活になったら、2人で旅行とか行って。
あたしが、“ちょっと子供の面倒見てくれる?”なんてお願いしたら、いつものように言うんでしょ?
“いいわよ。ただし、有料だからね?”……なんて。
一生を全うするのはそれからでしょ?
こんな中途半端な時期に終焉の宣告を受けるなんて、冗談じゃない。


