「肝臓ガンの症状の1つに黄疸があるんだけど、その黄疸の数値をもとに計算したのがお母さんの余命だ。つまり、3週間」
黄疸……
それじゃあ、あのときママの顔色が少し黄色っぽいような気がしたのは、あれは黄疸が出始めていたんだ。
「黄疸を抑える薬を投与していたけれど、一時は数値は下がった。でもまた、上り始めて……」
「もう、手の施しようがないってことなのか?」
「……あぁ、そうだ」
あとはもう、死ぬのを待つだけ――……?
「……ママは、知ってるの?」
「末期の肝臓ガンであることは伝えた。だけどまだ、余命までは……。本人はまだ諦めていなくて、いろいろ調べているみたいだけど……」
「母さんらしいな」
うなだれたようにポツリと呟く虎太郎。


