でも……ほんのちょっと、自信をなくしてしまう。
平川さんの完璧すぎる容姿に、別れたあとも仲がいい2人。
あたしと裕貴先輩のあいだに、少しでも綻びができてしまったら……。
裕貴先輩は迷いもせずに平川さんのもとにいってしまうんじゃないか……って。
「あ、長話は禁物。今日はイブだからね? じゃ、裕貴。受験頑張って」
「あぁ、ありがと」
平川さんたちと別れたあと、あたしたちは再び歩き始めたけれど、話題が出て来ない。
受験を控えている裕貴先輩のために用意したクリスマスプレゼントは手作りのお守り。
いっそのこと今、それを渡して会話を盛り上げてみようか。
……あぁ、でもダメ。
これは最後、家に着いたときにって決めてるし。
どうしよう……。
平川さんのことが頭のなかグルグル回っていて、会話が出て来ない。


