Ending Note



ママが言い渡した門限に間に合うように、あたしと裕貴先輩は公園を後にした。

家まで送ってくれるという裕貴先輩の言葉に甘えて肩を並べて歩く。


6年越しの片思いが実るなんて、自分でもびっくりだ。


幸せの余韻に浸りながら、ずっと遠くから見ているだけだったヘタレなあたしを思い出す。



隠し撮りたくさんしたなぁ。

毎朝、裕貴先輩が学校に来ているかどうか靴箱チェックしたなぁ。

バレンタインにクリスマス、そして裕貴先輩の誕生日。渡す勇気なんてなかったくせに、チョコ作ったりプレゼント買ったりしたなぁ。




……自分、どんだけヘタレなんだよ。



「あれ?」



あたしの頭のなかの回想シーンがつい最近にまで進んできたところで、ふと思い出す。



「どうした?」



立ち止まったあたしにつられて、裕貴先輩も歩く足を止める。