「いつからそんなふうに、あたしのことを!?」
なんて図々しい質問なのだろうとは思ったけれど、あり得ない展開になった以上、聞かずにはいられない。
「まぁ、最初はおまえのお母さんだな」
「まさか、保健室に運ばれたときの?」
「そう。この親子おもしれーって思って」
「……あの、もう時効だと思うので言っちゃってもいいですか?」
ママが仕組んだ策略。
墓場まで持っていくつもりでいたけれど、もうこの際、正直に話してしまおう。
真相を話したあと裕貴先輩は呆気にとられた顔をしていたけれど、「やっぱりおまえらおもしろいな」と大笑いした。
ママがあんなことしなかったら、あたしの初恋は本当に終わっていたんだ。
今ごろあたしは、おいおい泣きながらママとやけジュースしていたんだろう。
……あたし、もう一生ママに頭が上がらない。


