裕貴先輩の言い分に納得したように返事をした直後、あたしは、あれ? と肝心なことに気づく。
……“好きじゃなかったら”?
いま、裕貴先輩は確かにそう言ったわけで。
つまりそれは……
「え? えぇ? えぇぇぇぇ!?」
空耳なのか、それともリアルすぎるあたしの妄想なのか。
驚きながら裕貴先輩の顔を見れば、やっぱり……呆れている。
「せ、先輩っ? な、なんですか今の発言は!」
「……なんですか……っておまえ。そのまんまだろ」
「いや、ていうか、あたしみたいな平凡女子に何てことを……」
「嫌ならいいけど」
「そっ、そんな滅相もない!」
なにこの展開。
今日はママとやけ酒……もとい、やけジュースして、明日は奈瑠美とやけ食いする予定だったのに。


