「さっきの……、学校での話の続きだけど」
早速、裕貴先輩は本題に入る。
「あの……、話の続きも何も……もう終わったことですよね」
振られた腹いせなのか何なのか、あたしは裕貴先輩に食って掛かる。
裕貴先輩はそんなあたしに腹を立てるわけでもなく、冷静に言う。
「おまえはあれで終わったんだろうけど、俺は終わってない」
「いやいやいや、終わったんですってば。裕貴先輩の話って、平川さんに何て言ってヨリ戻そう、“おまえ、なんかいい方法知らね?”とか、そんなのでしょ」
「……あのなぁ、妄想で話を進めるなって」
「妄想? どこが! だって平川さんのこと忘れられないんでしょ?」
「だから、俺の話を黙って聞けって」
「なにこれ。ある意味、拷問だわ」
泣きそうになるのをごまかすように、あたしは大げさに怯えてみる。
裕貴先輩はあたしの心境なんか知らずに、頭を軽く小突く。


