「マ、ママっ、うっ、うううっ……」
「蛍子! 千春は学校でいじめられてるらしいぞ。今日は卵を投げつけられたらしい。学校に電話、」
「どけや、おっさん!」
頓珍漢なことを言い張っているパパに、ママが強烈な蹴りを入れる。
「いてっ! 何するんだ。娘がいじめに遭ってるってのに」
「いじめじゃない。これは女子にしか分からない事情である。よって、おっさんは退散せよ」
「なっ……。まさか千春、妊し、」
もう、うっとうしい。
パパ、心配性なのは分かるけど、今はマジでうっとうしい。
ママはパパにもう一度蹴りを入れたあと、あたしの肩を抱き、あたしの部屋がある2階のに続く階段へと向かった。
「ママ、やけ酒付き合ってよ?」
「はいはい。あんたは未成年だから、やけジュースですな」
「酒飲む!」
「……アホか」


