「以上、あたしからの話は終わりです!」
一度は止まった涙が、また溢れだしそうになる。
せっかく和やかに話が終わったのだから。
また泣いたりしたら、裕貴先輩に気を遣わせてしまう。
「じゃ、受験勉強と部活、頑張ってくださいねっ!」
「……あっ、おい、栗沢っ」
一方的に話を終わらせて、あたしは逃げるようにしてその場を立ち去った。
もう、これで終わり。
言いたいことは言ったし、裕貴先輩の平川さんに対する気持ちもよく分かった。
この先、裕貴先輩と平川さんが一緒にいる姿を見ることがあるだろう。
そのときは絶対に泣いたりなんかしないで、2人を祝福できるくらいになりたい。
……帰ったら、ママと“やけ酒”だ。
そして、思い切り泣こう。


