「いや、でも、」
「裕貴くん、大学はどこに行くのかしらね? 地元だったらいいけどねぇ? ひょっとしたら海外に留学ってこともあり得るかもね?」
「うっ……」
「下手すりゃ、もう二度と会えなくなるかもね?」
もう二度と、会えない――?
言われてみれば、その可能性はじゅうぶんにある。
高校まではみんな地元だから、学校が違っても街中で偶然会ったりしていた。
けど、高校卒業後の進路は選択肢が広がって県外に行く人が多い。むしろ、地元に残る人の方が少ない。
「あんた、絶対に後悔するよ? 大人になって振り返ってみたときに“あのとき告白していればよかった”って」
「…………」
「恥ずかしい、振られたらどうしよう。そんなことを思うのは今だけ。何もしないまま時が経ったら、絶対、後悔する」
まるで――……
ママは自分のことのように真剣なまなざしであたしを説得する。


