Ending Note



「じゃあ次は、歯磨き!」


『はいはーい』



……なんだか嬉しい。

一緒にいるわけじゃないんだけど、裕貴先輩と同じ時間を共有しているなんて。



『歯磨き終了ー』



あたしとほぼ同じタイミングで歯磨きを終えた裕貴先輩の声が聞こえると、あたしはスマホを耳に押し当てる。



「では、朝ごはんを食べたら準備してくださいね? 11時に桜丘公園でお待ちしております」


『ありがとな。遅れないように行くから。おまえも遅れるなよ?』


「大丈夫でーす」



“おまえ”



いつからだろう。裕貴先輩からそんなふうに呼ばれるようになったのは。

きっと、仲良くなってから何かの流れでそうなったのだろうけど……。

もう慣れてもいいはずなのに、いまだに“おまえ”と呼ばれるとドキッとしてしまう。