「なーんてね」
「………っ!?」
パッと両手を外したママの顔はヘラヘラと笑みが浮かんでいる。
「今年も超健康体! て言うかさ、たまにはあんたたちの方から“どうだった?”なんて気にしてくれてもいいじゃないのー。いっつもママからの報告だし」
子供のように拗ねて言うママに、あたしは軽く腹が立つ。
だけど、敢えてそれをママにぶつけることをせず、耐えた。
言われてみればそうだよね。
“どうせ今年も大丈夫”なんて思い込んで、あたしたちの方からママを気遣うことなんてしなかった。
ママからしてみれば、それって寂しいよね。
「……ごめん、ママ。ママは病気とは無縁の人だから、安心しきってたっていうか……」
「ちょ、ちょっと、本気で責めてるわけじゃないのよ」
沈んだ声で謝るあたしに、ママはあたふたして懸命にフォローする。
「千春たちの気持ちはちゃんと分かってるし! ただ、たまには千春たちからも聞いてほしかったって言うか……」


