Ending Note



もしも裕貴先輩にそこまで言われたら、あたし、絶対に心が折れる。立ち直れない。



「で、ここが引き際だ! って思って、思い切り引いてみたわけよ」


「ママが? 引いたの?」


「嫌だねこの子は。本気で引くわけないでしょ。演技よ、演技」



絶句してしまう。

落ち込むどころか、次の作戦まで立てていたなんて。



「そうしたら、パパからの告白。晴れて彼女になりました~。めでたしめでたし」


「まさか、結果も計算済み!?」


「9割方ね。あとの1割は、自信なかったけど」



ふふふ、と、昔を思い出して笑みを浮かべるママ。

羨ましい。あたしにもそれだけの度胸が欲しいけれど……。



でも――……



こんなにウジウジしているあたし、ママから見れば相当イラッとくるんだろうな。