夕食を食べ終わると、男女それぞれに別れて温泉に入ることにした。


部屋に戻ってからせつらに「あの二人は混浴じゃなくていいの?」と聞いたら、おもいっきり笑われた。


「だってさ、今のこの時間に混浴行ったところで爺さん婆さんしか入ってねーよ」

「じゃあ行ってもつまんないね」



ベッドに座って足をぷらぷらさせていたあたしはそう呟いた。



「………やっぱ睦月も行きたいんだ?俺と二人で混浴」

「っ!ちが!」



違う!と反論しかけてまた唇を塞がれた。


今度のはさっきよりも深くて、絡み付くようなキス。



「………せつら、熱い……」


なんでか知らないけど涙が勝手にこぼれてきて、あたしは涙目でせつらに訴えた。


「挑発してんの、お前」

そういうせつらの声がやけに色っぽくて、あたしはそのせつらに流されそうになる。


その時、タイミングを見計らったようにドアがガンガン叩かれた。



「……チッ…。あいつら……」


せつらはかなり残念そうにドアを睨みつけたけど、体を洗ってないあたしは少しほっとした。




どうせ見られるなら、綺麗に磨いてからあたしの体を見て欲しい……よ、せつら。