負けてる?
ねぇ、仁。
あの時の私は千菜に負けてる。
あの言葉ほど心に突き刺さるのはなかったんだよ。
仁は知らないのは、当たり前なんだけど。
それでも、そんな言葉、聞きたくなかった。
『柚、大活躍お疲れ☆』
「……どーも」
笑顔で迎えてくれた仁を煩わしいと思ってしまうほどだった。
『何怒ってんだよ~…仕方ねーな。柚、ぜってー勝ってくるから俺だけ見てろよ?』
なのに仁はそう言って走っていってしまった。
やっぱり仁には敵わない……。
そう思ったの。
これが惚れた弱味というものだったんでしょうか。
でも、私の頭には試合中、ずっと仁を見てて良いんだ………
そんな喜びが支配していました。

![[短編]初恋を終わらせる日。](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.787/img/book/genre1.png)