【完・短編】届かないラブレター。




負けてる?



ねぇ、仁。



あの時の私は千菜に負けてる。




あの言葉ほど心に突き刺さるのはなかったんだよ。




仁は知らないのは、当たり前なんだけど。





それでも、そんな言葉、聞きたくなかった。








『柚、大活躍お疲れ☆』






「……どーも」






笑顔で迎えてくれた仁を煩わしいと思ってしまうほどだった。






『何怒ってんだよ~…仕方ねーな。柚、ぜってー勝ってくるから俺だけ見てろよ?』





なのに仁はそう言って走っていってしまった。




やっぱり仁には敵わない……。




そう思ったの。




これが惚れた弱味というものだったんでしょうか。




でも、私の頭には試合中、ずっと仁を見てて良いんだ………





そんな喜びが支配していました。