【完・短編】届かないラブレター。



泣きそうで、泣きたくて、教室を飛び出してどこに行こうか考えてたら



仁は、追いかけてきてくれたよね。




私、あんなこと言ったのに。




仁は、追いかけてきてくれたよね。




初めてだったよ。




仁の優しさが胸をえぐるほど苦しかったのは。




嬉しかったのに、その何倍も切なかった。




だって、追いかけてきてくれた仁、泣きそうな顔してたんだもん。





だから私は逃げた。





走って逃げた。




仁ごめんね、大好き。



そう思いながら逃げたの。




仁、あの時はほんとにごめんね。