『二階で寝てるから、母さんにそう伝えて』


そう言ってソファを立つ太一を、あたしは止めた。


太一はここから逃げたがっている。


それを知りながら、面白半分で太一の腕を掴んだんだ。


『ダメだよ。合格発表、届いたもん』


『でも、本当にお腹が痛いんだ』


『ダメ! 座って!』


あたしは強引に太一をその場に座らせた。