警察は
軟弱者の死体を
見ていた。


『あの彼と同じく、眼球がくりぬかれています。……だが手には……。』


と新米がいいかけた
ときあることに
気付いた。


『やけにかたくなに口が閉じていません?』


その言葉で
上の警察がハッとした
顔をすると


解剖医に
口を開けさせた。


『ヒィ……』


新米がいきをのんだ。



軟弱者の
消えた眼球は
自分の口内に
おさまっていたからだ。