『な、なんで……』


軟弱者は
怖くなり
部屋から出ようと


部屋のドアノブを
引くがびくともしない。


『ヒィ……ヒィ…嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!!』


軟弱者は
身を縮めながら
部屋のすみにたたずんだ。


軟弱者は
画面からあのホラー
映画のようにテレビから出てくることを想像していた。


だが違った。


『つぅかまえたぁあ〜』


そう軟弱者の後ろから
声が聞こえたのだ。


男の肩に白くただれた手が回る。



『ヒィィィ…………ヤ、ヤダ。』


男は
金縛りにあい身動きが
とれないでいる。