「蒼っ‼︎」

玄関には、平助と雨に濡れた蒼の姿。

「…おかー…さん…」

そして、弱々しくあたしを呼ぶ。

「どーしたの?大丈夫?」

近寄って抱きしめるが、その肩はカタカタと震えている。

「…平助、タオル持ってきてもらってもいい?」

「うん、分かった」

…ふう、ひとまず邪魔者はいなくなった。

「蒼、何があったの?
お母さんに話せる?」

雨に濡れて震えてるわけじゃないだろう。

だってほら…

こんなにも目が怯えてる。