アヤカシとキツネさん

「――完璧ね」



うっとりしながら、私を優しく見つめる雅さん。



はい。


顔と髪のメイクが終わりました。



「本当に。可愛らしい」


「なんて素敵なんでしょう」



女中さんも賞賛の嵐。

しかしそれは私の見目ではなく、雅さんの手腕を讃辞しているに違いない(絶対そう)。



「…ありがとうございます」



「綺麗よ、憂。思う存分、男達を弄んで――いえ、楽しんできてちょうだい」



……雅様?今の言葉は?

もてあそぶ、って言った?



「はい、この手提げを使って。浴衣とお揃いなのよ」



「……あ、はい…」



疑問を聞き返す間もなく差し出されたので、受け取った巾着に財布やら携帯やらを詰め替えた。