アヤカシとキツネさん

「――はい、いいわよ。それじゃ、後はお化粧をしてからね?」



「…ぅ……はい…」



丁重にお断りしたかったけど、そうもいかず(雅さんの綺麗な笑顔の圧力)女中さんに手伝ってもらって、ゆっくりと椅子に座る。



「普段使っているものは?シャネルとディオールならどちらが好きかしら?それともジバンシィ?」



「奥様、若い方はジルスチュアートやポール&ジョーなどをお好みになられるそうですよ」


「アナスイも売れていますね。デザインの可愛らしいさも人気なんだとか」



「あら、そうなの?憂、どうかしら?」



「…え……いえ、あの、私は…特に、なにも…」



言わせていただこう(心の中で)。

ここにある化粧品は、普通の女子高生が簡単に一通り揃えられるものでは、ない。

買いたいけど買えない。手が出せない。恐れ多い。憧れはまだ憧れです。

私はお財布事情から手頃なドラッグストアのコスメなどを使っている(お気に入りはマジョマジョ)。