アヤカシとキツネさん

気付かなかったが、一段高くなっている床に女中さんみたいな人が二人、正座をして顔を伏せていた。

雅さんが前を向くと立ち上がり、雅さんに近付いて段差を上がるのを手伝う。


それをポカンと見ていたら、女中さんの一人が私を見た。



「お履き物をお預かり致します。どうぞ」



「……え……あっ…はい」



靴を脱いで、あがる。

玄関というか土間みたいな所なのだろう。